私はマレーシアの現地採用でコンテンツレビューの仕事をしていました。
今回はコンテンツレビューの仕事内容を少し掘り下げてご紹介します。
お話しするのは私が所属していたSNSの当時の規定に従った情報です。
規定はよく変更がありますので、参考程度にご覧ください。
※今回は性的な動画の判定の仕方についても述べていますので、苦手な方はご注意ください。
コンテンツレビューとは
SNSには見て不快になるような動画も溢れています。
そのような動画を報告(通報)する機能がSNSには付いているのをご存知の方も多いかと思います。
動画が通報されると機械が自動で判定するものもありますが、機械が判断できないものに関してはシステムに入ってくるので私たち人間が実際にその動画を見て判断します。
その動画を見て自分の所属するSNSの会社が定めているガイドラインに違反しているか、違反している場合どのような処分が適切なのか(年齢制限をかけるのか、動画を削除にするのか、アカウントごと無効にするのかなど)を判断するのが仕事です。
日本語の動画だけを見るのか?
私が所属していた会社は英語+母国語の動画を判断しないといけなかったので英語の動画と日本語の動画が入ってくると判断をしないといけませんでした。
当時私が所属していたSNSのシステムは自動で言語を振り分ける機能があり、日本語の欄に数字が書かれていてその数だけ動画が溜まっているという感じでした。英語の欄の動画はみんなで片付けます。
日本語の動画をやるか、英語の動画をやるかは自分で気分で選べますが、優先すべきは日本語チームの場合は日本語の動画です。
日本語の動画欄がゼロになったら、英語に取り掛かるような感じです。
システムが間違って振り分けていることもあり、動画を開けた瞬間「日本語じゃない!!!」となることもありますが英語と母国語以外の言語の場合はその言語に手動で振り分けます。
見ても聞いても何語なのか分からない時はそれらしいところに、適当に振り分けたりしてるのでひたすら色んな言語間をグルグルと回っている動画もあります。
ノルマや残業は?
24時間の3交代シフト制で残っている動画は次のシフトの人が行う(随時動画が入ってくるのでゼロにはあまりならない)ので、溜まっている動画を全て片付けないと帰れないとかはないです。
1分前には帰る用意を完了して、時間になった瞬間帰ります。
ノルマはないですが、目標はありました。
一人1日250本の動画を捌くことが目標でしたが、達成できなくても特に何もないです。
一日250本と聞くと多いように感じますが、慣れて集中して早くやると、5時間くらいで頑張ればできます。
(1分ちょっとで1本)
人事的な評価のされ方は?
QAという動画判断の質、正答率ををチェックする担当の人が各言語にいます。
その人が定期的に、全員分それぞれ一定本数ランダムに選び、その動画に対する判断が正しかったのかのチェックを行っています。
そして正答率のようなものを出されます。この正答率が仕事の正確性として数字化され判断されます。
この結果が悪かったからどうなるというわけではなく、後でその動画の判断がどう間違っていたのかフィードバックがなされます。
その判定に納得がいかない場合は、自分の考えを主張することもできました。
動画判定の仕方の具体例(性的な動画の場合)
日本語の動画で一番多いのがコレです。
ほぼ8割くらいコレです。
日本=エロ動画と他国にも思われていますので、他の国のエロ動画も何故か日本の動画に振り分けられているくらいです。
エロ漫画系
性的な描写がある(要はS○Xをしてる漫画)漫画の写真をスライドショーにして読ませるタイプの動画です。
※著作権に関しては別の部署がやっているので、私が判断を下していたのは動画の中身に関してのみです。
漫画の場合、性的な描写と言ってもただの絵です。
なので性的な描写だけでは普通にOKな動画として判断されます。
ただ、細かく描かれているものに関しては年齢制限がかかったり、ひどい場合(体液が明らかにリアルに描かれていて動画の意図が性的描写を見せることの場合)は動画が削除されたりします。
動画の意図はタイトル、概要欄、タグなどから判断します。
エロ動画系
実際の人間かアニメに関わらず動画に関しては漫画よりかなり厳しく、ヤっているとアウト、フリをして身体を動かすのもアウト、裸もアウト、揉むのも掴むのもアウト、透け透けのモザイクもアウト、下着から透けさせているのもアウト、盗撮系や痴漢系もアウト、女子アナのチラ見え系を集めた映像集もアウト(これ多い笑)、かなり最小限に大事な部分をカバーしてそれをドアップで見せ続けるのもアウトです。
またアウトレベルの動画がアカウントに3つ以上あるとアカウントがBAN(無効)になります。
そしてアウトではないですが年齢制限がかかるのが、AVのストーリーの部分だけ(性行動をする寸前で終わる)、下着や水着姿の女性がひたすらお尻を振っている、最小限に大事な場所をカバーしたりモザイクをかけている、性的行動をイメージさせるような動きをする、コメディー上での性的行動、卑猥な言葉を動画の大半で使用する、芸術的な実際の人間の裸(全身のボディペインティングで裸を見せることが動画の意図ではなく、イベントなどの芸術作品としてのもの)、伝統的で文化的な裸(アフリカの田舎で人々が服を機内で生活している様子、伝統的なお祭りでの裸)などです。
未成年系
18歳未満と思しき子が性的な行動をしていたら、本番をやっていなくても性的な行動があればアウトです。
実際の人間かアニメに関わらずアウトです。
人間の場合は動画を判断する人が身体の発達具合から判断をしますが、アニメだとこの18歳未満の定義が特殊です。
アニメの場合、そのアニメの設定上の年齢とは異なります。
女の子の場合、たとえ制服を着ていても、ランドセルを背負っていても、アニメの設定上での年齢が中学生でも、胸が大人並みに大きければ18歳以上であるとみなします。
(日本のアニメ動画にはこの手のものが多く、アニメの中では中学生という設定でその中学生が超ボインなパターン…。)
さらに登場人物が大人であれイラストであれ「子供向け」などと子供をターゲットにしているかのようなタグやタイトルをつけて、動画の内容が性的なものは例え年齢制限レベルのものでも子供をターゲットにしているという理由でアウトになります。
OKなもの
よく問題に上がるのがクレヨンしんちゃんです。
しんちゃんは明らかに子供なのに、裸が描かれています。
クレヨンしんちゃんの場合の裸は、リアルに描かれているわけではないのでリアルではないイラストの裸とみなされます。
クレヨンしんちゃんのアニメ自体は性的行動を意図して描かれているわけではないのでOKとなります。
また芸術作品(例えは裸の銅像)はOKです。
今回は日本の動画でほとんどを占める性的な動画系を具体的にどのように分類するのかをご紹介してきましたが、次は他の分野もご紹介していきます。
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